ちょくルートMagazine

2018/06/12

浮き彫りになる採用面接の課題。給与が気になる「求職者」、聞かれたくない「企業」

浮き彫りになる採用面接の課題。給与が気になる「求職者」、聞かれたくない「企業」
― 人事業務に関するアンケート調査結果 ー
求職者からの逆質問で、企業にとって印象が良いと感じるのは「会社・仕事内容についての質問」という回答が80%
~具体的な業務内容、社風についての質問、企業名の由来、一緒に働くチームの人のことなど、向上心があるというプラスの印象付け

印象が悪いと感じる質問は「給与・条件など待遇を聞く」が50%
~「給与面の交渉をしてきた」「残業・有給・育休についてしつこく聞いてくる」「入社1年後の昇給額を聞かれた」

企業の人材採用支援を行う株式会社ONE(読み:オーエヌイー、本社:東京都新宿、代表:山﨑圭一郎)は、関東圏内の中小企業の人事担当を対象に、「中途採用の面接に関するアンケート調査」を実施しました。

【調査背景】
求職者との企業のマッチングをより高めるために、採用担当者の面接に対する考えを把握することを目的に本調査を行いました。

【調査結果】
面接で重視するポイントは、「経験・スキル」よりも「人柄」。
企業にとって面接者への挨拶やマナーは出来ていることが前提。不備はマイナス評価としている。
求職者が最も知りたい「給与・休日」の質問は、企業にとっては聞かれたくない質問。

■企業が面接で見るのは「経験・スキル」よりも「人柄」。

企業が面接で見るのは「経験・スキル」よりも「人柄」。
人事担当者に「面接で特に重視するポイント」を聞いたところ、回答数が一番多かったのは「人柄」が30%、続いて「志望動機」が約20%、「転職・退職理由」が約15%を占めました。
一方で、「経験・スキル」の回答は全体の約10%という結果となりました。

「面接で不採用にする理由として多い理由」についても、「人柄が良くない」が31%、続いて「マナーや身だしなみ」が20%と、不採用理由においても人物像の要因が約50%を占める結果となりました。

不採用理由でも「経験・スキル不足」の回答は第3 位となり全体の14%ほどでした。
書類選考を通過している段階で、経験・スキルの部分はある程度理解がある上での面接のため、直接会う面接という場では、内面的な要素を重点的に見ている傾向が分かります。

■一般的な「挨拶・態度・マナー」は面接印象を左右するポイントに。

<プラス印象の回答結果>
面接時のプラス印象の回答では「挨拶・態度」「話し方・受け答え」に触れる回答が全体の60%を占めました。

▼「挨拶・態度」の回答例(一部)
・笑顔で明るく、元気な印象があった。
・案内する社員や、すれ違う社員に対しても挨拶をしてくれていた。
・悪天候の電車遅延で、面接に遅れる際の電話連絡の対応がきちんとしていた。

▼「話し方・受け答え」の回答例(一部)
・質問に対しての回答の早さ。会話のやりとりがスムーズ。
・自己PR や職務経歴がわかりやすく説明できており、” 出来る人” と感じた。
・回答が明確で簡潔である。またハキハキとして聞き取りやすい。

その他プラス印象では、「HPに記載されているブログの隅々まで確認してくれていた」といった回答や、「自社の商品を使ってくれていた」「自社ブランドを面接で着てくれていた」といった回答もあり、企業のファンであることはアピールポイントとして有効なことがわかりました。

<マイナス印象の回答結果>

プラス印象の回答の逆で「態度・マナーが悪い」に触れる回答が全体の44%を占めました。またプラス印象ではあまり目立たなかった「身だしなみ・服装」について触れる回答が全体の17%となり、「態度・マナーが悪い」に次ぐ結果となりました。

▼「態度・マナーが悪い」の回答例(一部)
・面接の際、ひじをついて話をしていた。
・受付に対しては態度が悪く、面接時は愛想を良くしていた。
・面接時間の1 時間前に来社してきたため対応に困った。


▼「身だしなみ・服装」の回答例(一部)
・爪を切っていなかったり、肩に落ちたフケが目だったりと、全体的に清潔感がない。
・スーツやY シャツが、ヨレヨレだった。
・タバコ臭い。


その他マイナス印象では、「前職の悪口・不満ばかり言う」「履歴書をシワクチャの状態で渡された」「目が泳いでいる・そらす」などプラス印象の回答よりも、回答種類のバリエーションが多いことが特徴的でした。
面接印象を左右するボーダーラインは一般的なごく当たり前の「挨拶・態度・マナー」といえるでしょう。

「身だしなみ・清潔感」はマナーのひとつという考え方が出来るため、プラス印象の回答には見られませんでしたが、企業は細かい点まで目を配り、ほんの少しのことでも一気にマイナス印象になってしまう要因となりそうです。

■仕事に関する質問は歓迎!給与・条件の質問はタブー?

求職者からの逆質問で、企業にとって印象が良いと感じるのは「会社・仕事内容についての質問」という回答が80%となりました。
具体的な業務内容、社風についての質問、企業名の由来、一緒に働くチームの人のことなど、向上心があるというプラスの印象付けができるようです。

一方で、印象が悪いと感じる質問は「給与・条件など待遇を聞く」が全体の半分となる50%を占めました。
「給与面の交渉をしてきた」「残業・有給・育休についてしつこく聞いてくる」「入社1年後の昇給額を聞かれた」といった回答が相次ぐ結果に。

その他「社員旅行はいかないといけないのか?」「パワハラ・セクハラがあった際の対応はどうしてるか?」と聞かれ、対応に困ったという回答もありました。

仕事に対して「意欲ある方を採用したい!」という企業の想いとは裏腹に、求職者にとっては転職活動は今後のキャリアを左右するターニングポイントであり、生活面や経済的な部分も視野に入れ、現実的に転職活動をしていることが伺えます。
企業が「聞いてほしいこと」、求職者の「本当に聞きたいこと」には乖離があることが浮き彫りになりました。

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