ちょくルートMagazine

2018/05/29

知らなければ損をする、「U・Iターン採用」のリアル

知らなければ損をする、「U・Iターン採用」のリアル
人口減少問題を取り上げるうえで、大学の2018年問題を耳にすることが多くなりました。大学の2018年問題や、それによって若年層の採用困難化が進む地方企業のお話します。

忍び寄る2018年問題

大学の2018年問題とは、2018年を目途に18歳以下の人口が減少期に入るため、大学の経営悪化や学生の獲得競争の激化が起こることを指します。

国立社会保障・人口問題研究所によると、2018年の18歳人口は 団塊世代が現役で
あった1966年に比べて約半数以下の117万人になると推計されているのです。
そして、大学が減少することは、地方への進学や就職の機会が減少することと同義で、東京一極集中の傾向が強まる可能性があります。
地元に帰りたいと考えていても、希望する仕事がないため、そのまま首都圏の会社に就職する首都圏の大学生もいるのです。

「地元に仕事がない」という若者の心理を分かっていない地元企業

「地元には仕事がない」という若者の言葉を聞いたことはありますか?ですが、この「仕事がない」という言葉を鵜呑みにしてしまっては、採用はできません。

地域経済分析システムRESAS*のデータで全国の有効求人倍率をみてみると、沖縄を除くほとんどの県で1倍を超える倍率となっています。また最も高い福井県では1.91倍となり、有効求人倍率だけでは、若者が発する「地元に仕事がない」という真意を読み取ることができません。

*地域経済分析システム地方自治体の様々な取り組みを情報面から支援するために、
まち・ひと・しごと創生本部事務局が提供する、産業構造や人口動態、人の流れなど
の官民ビッグデータを集約し、可視化するシステム

では、「仕事がない」という若者は何を訴えたいのでしょうか?
ひとくちに仕事といっても、どんな仕事でもいいと思っている求職者はいませんよね。
地元に求人があるにも関わらず、「仕事がない」と感じ首都圏に出ていく理由はズバリ、地元には「就きたいと思える魅力的な仕事がない」ということなのです。

全く届かない「U・Iターン歓迎」の求人原稿がWEB上に乱立

今やUターン歓迎の求人を見かけることは多くなりましたが、なぜUターン歓迎なのかが全く伝わらない求人原稿が多いと感じます。

例えば、ある求人広告媒体では、求人の詳細条件で「U・Iターン歓迎」の項目があり、チェックすることができますが、出てきた求人情報には「なぜU・Iターンで採用を歓迎するのか」について記載がある企業はほとんど見当たりません。

都会で働く20代の若者にとって、地元に戻って就職・転職するかしないかは、簡単に決められるものではありません。なぜ地元に戻り、就職することを歓迎してくれるのか、企業の想いや背景を説明するだけで、求職者の就職に対する不安に向き合ってくれる企業だと、印象づけられるはずです。

求職者がどのような思いで「U・Iターン歓迎」の求人情報を見ているのかをもっと考えるべきでしょう。

若者が「就きたくなるような」求人情報を発信したことはあるか

働く上で報酬は重視する項目です。まず大都市と地方では給与の水準が圧倒的に異なります。そのため、稼ぎたいという目的が強い求職者を採用することは難しいでしょう。

スローライフを満喫しながら、地方でもしっかり稼げることをアピールできれば積極的にすべきですが、地方で首都圏同様の給与水準を稼ぐ場合、都市以上に猛烈に働かなければ難しいのではないでしょうか。おそらくスローライフは楽しめません。
よって、給与以外の面でいかに求職者にアピールするかが重要なのです。

人口が減っているとはいえ そのまちに住んでいる・働いている・暮らしている人がいれば、そのまちを選択している理由が絶対にあります。

Uターン希望者は会社の良さだけでなく、地元で生活することにも重きを置いています。だからこそ、暮らしの良さを再発見させること、またその情報発信が、地元企業を検討する人材獲得の足がかりになることは言うまでもないことでしょう。

旧態依然とした採用を手放す勇気「人がいないなら都市から集める」

総務省が4月13日に発表した人口推計によると、2017年10月時点で日本の総人口は1億2670万6千人、人口の減少幅は7年連続で拡大しており、2060年には9,284万人にまで減少すると見込まれています。
社会増加している自治体も無くはないですが、日本の人口減少は着実に始まっていることは事実。その影響は少なからず忍び寄り、採用の難航に苦しんでいるという地元企業も少なくはないはずです。

これからは、人がいないのは当たり前ということを踏まえた上で、人が居ないなら集め方を工夫することを地元企業は覚悟すべきなのではないでしょうか。
企業が新たな採用を続けられることは経営の鍵、ひいては地元に求職者を呼び込むことで、自治体の未来をも担っていると言っても過言ではないでしょう。
Uターン就職などをアピールする企業もありますが、まだまだ求職者とうまくマッチングできる余地がありそうですね。

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