ちょくルートMagazine

2018/10/19

「新卒」の概念が異なる!日本、アメリカ、ドイツの就活比較と生き残る採用とは

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同じ髪型、リクルートスーツ、カバンまで真っ黒に染めて、周囲に溶け込むことから始まりまる日本の就職活動は海外からみると異常にみえるのかもしれません。
同じエントリーシートばかりで見飽きた、面接をしても予め用意してきた答えだと感じている面接官、一方で就活のために武装する就活生は、自分の個性を出しにくいと感じているような現状もあります。
なぜこんな事態になっているのでしょうか。
それは日本の就活で最重要視されているのが、やる気や協調性だからだと言われています。
そこで今回は日本と海外の就活事情を、学生に求められることを基準に比較しつつ、メリット・デメリットに分けて考えていきます。

日本の就活事情と学生に求められること

新卒一括採用
日本の学生は、新卒一括採用というシステムの中で就活を進める場合が非常に多いのが現状です。

このシステムは、卒業予定の学生を対象に年度ごとに一括して求人し、在学中に作成したエントリーシートやその後の面接を元に内定を出し、卒業後すぐに勤務させるというもので、日本特有の採用方法です。

このシステムのおかげで、学生は経験やスキルをあまり問われずに大企業に入りやすくなっている反面、外見も内面も周りに合わせる必要性があり、自分のペースでの就活はできなくなっています。

日本では新卒という切符を持っているだけで就活を非常に有利に進めやすく、早期退職して第二新卒になってしまうと、再就職が困難になったり、再就職しても出世の道が閉ざされてしまったりするケースがあると言います。

現在このシステムは、経団連による「就活ルール撤廃」表明によって議論がなされている最中で、将来的には変わる可能性もあるシステムです。



やる気、協調性重視
日本の就活では、エントリーシートにせよ面接にせよ、やる気や協調性が重要視される傾向にあります。

大学で専攻していない分野だとしても、これらがあれば十分に採用の可能性があります。

就職後に専門知識を会得してくれればいいと考えている企業が大半で、新卒に即戦力を求められるケースは非常に稀です。

学生はエントリーシートにアルバイトやボランティアなど、学外での活動について取り上げることも珍しくなく、面接では決まりきった身なりで明るくハキハキと話し、やる気をアピールします。

というのも、これらの要素のどれかが欠落した場合、協調性不足と受け取られ、学生時代に華やかな功績があったとしても不採用となる可能性があるからです。

これらは一概にすべての企業に言えることではありませんが、日本の企業は比較的この傾向にあると言っても過言ではないでしょう。

アメリカの就活事情と学生に求められること

・実力社会、学歴重視


 アメリカでは、求職者の大学での専攻・成績や今までの職歴を重要視します。
企業側の採用基準が高く、即戦力になれるかが求められます。
したがって、学生は大学でいかに勉強し、企業にアピールできることを増やせるかというところに集中します。
インターンシップにも積極的に参加した者が有利で、人脈を増やし、学生のうちから職歴を作るなど、努力をしている学生はインターン先で内定が出ることもあります。
大学院の修士課程では、インターンシップを卒業要件に組み込んでいるところもあり、またそのインターンシップも最低でも数カ月間かけて行います。
 

・通年採用


アメリカには新卒採用という考えはなく、就活シーズンというものがありません。
これは終身雇用という考え方がそもそも無く、転職を繰り返し、スキルアップをしながら自分に合った環境を求めていくのが自然であるという考えに基づいています。
欠員が出れば求職者を募り、満たされているときはそもそも募集すらしていないというケースも少なくありません。
 

・卒業後の就活がメジャー


 アメリカの学生は基本的に働けるタイミングで就活を行います。
学生の期間は学業に専念し、卒業後に就活を始めるケースが多いです。
中には卒業後にスキルアップや経験を積む目的でボランティアや留学をする人もいます。就職後に即戦力を求められるアメリカでは、経験不足な求職者はそもそも就職できないのが現状です。

ドイツの就活事情と学生に求められること

・専攻が就職先と合っているか


ドイツには総合職というものがありません。
一度決めた部署から移動することは滅多になく、転職しても基本的には一生自分の専攻した分野の仕事をこなします。
というのも、ドイツでは小学四年生の段階で進路を決め、以降ずっとその専門分野の勉強を行うからです。
 またドイツではいい大学に入ったとしても、将来自分が付きたい仕事につながるスキルが学べない環境なら、他の大学に進学しなおすというケースを珍しくありません。
ドイツの就活は、いろいろなことが満遍なくできる人ではなく、ある一つの分野のエキスパートを求める傾向にあると言えるでしょう。
 

・通年採用


ドイツも前述のアメリカと同じく新卒採用という概念はなく、通年採用スタイルで就活が進んでいきます。
違いがあるのは、ドイツにはそもそも卒業シーズンというものがないところです。
これはドイツの大学では、卒業論文を完成させればすぐ卒業できるというところに起因しています。
そのため、大学では卒業するために学業に専念し、卒業後に各々で就活を始めるというケースが主流になっているのです。
 

・実力重視


 ドイツも実力主義社会で、面接で重要視されることも仕事をこなす能力だと言われます。
日本の面接では第一印象を大切にし、自分をうまく表現することや入社後のビジョンなどをアピールする方法が主流ですが、ドイツではこの方法は効果的ではありません。
ドイツでは自分の今までの職歴やインターンシップなどの経験が重要視されます。
インターンは六ヶ月という長期間で行い、インターンであっても退職時に証明書がもらえます。
この証明書が面接時にはとても強力な切り札になり、この紙一枚で採用が決まることさえあるといいます。

日本の就活のメリット・デメリット

日本での就活のメリット


・新卒一括採用のレールが敷かれているという安心感
このレールに乗って就活を進めていけば、多くの学生は無事就職できる傾向にあります。
またこのシステムのおかげで海外以上に大企業への就職のチャンスもあると言われています。

・やる気の見せ方次第で就職しやすくなる
多少学業がおろそかになり経験やスキルが不足していても、やる気をアピールしカバーすることで内定が取れるケースが十分に存在します。
ただし行き過ぎた自己PRをしすぎると、就職後に苦労することになるので、虚偽の申告などはしないようにしましょう。

・同期社員による成長と安心感
新卒一括採用によって同期社員がいるケースが多いため、必然的により上を目指そうと競争し、相乗効果で互いに大きく成長できる可能性があります。
また同期社員というのは、人によっては良い悩みの相談相手になる場合もあるため、孤独や不安を軽減できるという人もいます。
 

日本での就活のデメリット


・学業への専念が報われにくい
大学で意欲的に勉学に取り組んでも、やる気のアピールが上手な人に内定を持っていかれることがあります。
これは日本の悪しき風習だと言われ、改善されるべきシステムですが、現状がすぐに変わるわけでもないので、勉学と同時に面接でのアピールの仕方の練習にも重きを置く必要があるでしょう。

・自分のペースで就活を進めづらい
新卒一括採用での就活が現状最もメジャーであり、このシステムでなければ内定までたどり着けない企業もあるため、そういった企業を目指す場合、年間を通して決まったスケジュール通りに行動し続けなければならず、学生たちは疲弊しやすいでしょう。
また、海外留学や病気などでスケジュール通りにいかなくなった場合、そういう人達は応募段階で弾かれてしまうことにもなります。
つまりどれだけ才能に恵まれていても、年に一度の採用のタイミングに合わない人はその時点で対象外とされてしまうことを意味します。

・景気の影響を受けやすい
好景気であれば求人は増え内定も複数出やすいですが、不景気な年になると求人数は激減し、有効求人倍率もそれに合わせて激減する傾向にあります。

この景気の恩恵や負担を一身に受けるのが、その年に就活を行う新卒生たちということになります。

新卒という切符が最重要視される日本では、その年の景気が非常に重要になるということです。
一方、新卒を優遇せず、経験やスキルがものを言う海外では、あまり新卒切符による恩恵や負担は関係ないのかもしれません。
日本では当たり前化されてしまっている就活ファッションが、海外だと異様にうつっているということは、逆もしかりです。アメリカでは、「新卒」というブランドはそれほど重視されていないので、実力社会のため経験や人脈作りに長けた人が就活を制するといえるのかもしれません。

しかし、就活ルールに疑問を呈し始めた世論が出てきたことで、日本独自の新卒一括採用に対する考え方に、再度焦点が当たっています。今後日本の就活スタイルが大きく変わっていく可能性は高いでしょう。

これからは就活の当たり前を疑う採用担当者が、求職者ニーズをつかんで採用を成功させていくのかもしれません。

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