就活生を惹きつけるために、中小企業は採用サイトを見直そう!
既存のサイトの内容に満足していますか?
自社採用サイトが「中小企業にとって」どれほど重要かということをお話したいと思います。
無駄のない、就活生に優しい採用サイトでより多くの就活生に訴えかけましょう。
就活生の中小企業への捉え方
まず、就活生が「中小企業」をどのように捉えているかを見ていきましょう。
株式会社DISCOが行っている、【2019年卒就活生モニター調査】(10月1日版)では、「中小企業への選考応募状況」がまとめられています。
ここでは従業員数300人未満の企業を「中小企業」としています。
【エントリー社数】
中小企業にエントリーした学生は全体の66.1%。前年の67.4%から減少しています。
エントリー社数は、規模によらない総エントリー社数32.0社のうち、中小企業は10.2社にとどまりました。
2017年卒は総エントリー47.1社のうち14.9社、2018年卒は総エントリー41.8社のうち13.0社と推移しており、総エントリー数の減少に伴って減少しているといえます。
2019年卒では31.8%、2018年卒では31.1%と中小企業の割合は微増しています。
つまり、中小企業の人気が下がったわけではなく、全体的に応募企業の絞り込みを行う就活生が年々増加し、それに伴って中小企業への応募も少なくなっているのが現状です。
ここではさらに、「中小企業を受けた」「中小企業を受けていない」というそれぞれの就活生の理由も見ていきます。
【中小企業を受けた理由】
「その他」回答を含め16の理由があげられていました。
プラスの意見としては、1位「会社の雰囲気がよい」(44.3%)、2位「やりたい仕事に就ける」(42.1%)、4位「企業として独自の強みがある」(29.8%)があげられていました。
しかし、3位「内定を取りやすそう」(32.3%)、6位「選考の練習台として」(25.2%)なども理由としてあげられており、大企業の面接練習や滑り止めという就活生も見られます。
【中小企業を受けていない理由】
こちらも「その他」回答を含む16の理由があげられていました。
「中小企業」というイメージから来ているのか、1位「給与・待遇が良くない」(42.2%)、2位「安定性に欠ける」(37.1%)、4位「福利厚生が不十分」(32.1%)などがありました。
また、3位「知名度が低い」(36.9%)、6位「世間体が気になる」(18.4%)、7位「情報が少なく企業研究が十分にできない」(17.1%)などもあげられており、大手志向の就活生へのアプローチが届いていない印象も受けます。
短い就活スケジュールの中で、どうしても企業研究に充てる時間の多くを大手企業に割く就活生が多く、中小企業は就活生に対してより発信していかなければならないのです。
就活生の企業選びのポイント
DISCO社の【2019年卒就活生モニター調査】(3月1日版)では、「企業研究を行う上で知りたい情報」という項目でまとめられています。
ここでは「その他」回答を含む19の情報があげられていました。
1位「実際の仕事内容」(83.3%)
2位「社風」(67.2%)
3位「他社と比べた強み・弱み」(56.9%)
4位「給与水準・平均年収」
5位「福利厚生制度」
6位「残業・休日出勤の実態」(54.3%)
7位「求める人材像」(52.3%)
8位「教育・研修制度」(43.5%)
9位「経営者の考え・ビジョン」(41.3%)
10位「転勤・異動の多さ」(39.0%)
11位「業界内のポジション」(36.6%)
12位「離職率」(35.6%)
13位「有休消化率」(34.7%)
14位「企業業績」(34.1%)
15位「キャリアパス」(29.6%)
16位「採用実績」(28.6%)
17位「女性の活躍度合い」(23.1%)
18位「人事評価制度」(18.8%)
19位「その他」(1.1%)
7位までは50%を超えており、就活生が知りたい情報は多岐に渡ることが分かります。
多くの企業が力を入れてアピールしているであろう「キャリアパス」は15位と30%を切っており、業務内容や勤務実態、給与・福利厚生など「個人として働きやすいか」が重視されているように感じます。
就活生が応募したくなる採用サイトのコンテンツ
ここまで、就活生が企業にどのような情報の開示を求めているかを見てきました。
では、採用サイトではどのようなコンテンツで、これらの情報をまとめていけばよいのでしょうか。
基本となる3つの要素を見ていきましょう。
【社員として働くイメージが沸く内容】
第1章で取り上げた、『中小企業を受けた理由』1位の「会社の雰囲気がよい」や、第2章で取り上げた『企業研究を行う上で知りたい情報』1位「実際の仕事内容」、2位「社風」など、就活生が最も重要視する項目です。
「実際の仕事内容」に関しては、業務内容が詳しく書けないとしても、抽象的な表現にとどめると就活生は想像できません。
企業秘密は守りつつ、外回りなのか事務作業なのか、それぞれの仕事内容の比重や大変さなど、具体性が必要です。
「社風」に関しては、成果重視なのか努力重視なのか、スピード重視なのか堅実性重視なのかなど、評価や仕事への向き合い方なども明らかにしましょう。
この項目における効果的なコンテンツは、「社員インタビュー」です。
役職や部門別に社員へのインタビューを行い、「任せられている仕事内容」や「1日の勤務時間の目安」、「休憩時間の過ごし方」などが見える記事にまとめられるとより効果的です。
【企業についての理解】
第1章での『中小企業を受けた理由』4位の「企業として独自の強みがある」や、第2章での『企業研究を行う上で知りたい情報』3位の「他社と比べた強み・弱み」など、他社ではなくこの会社を選ぶための理由が求められています。
採用面接において、「同業他社と比べて、どうしてうちなんですか」という質問が一般化したために、就活生が「他社との違い」を企業研究の時点で求めるようになっているのです。
内定を出しても辞退が相次ぐことが一般的になってきています。
同業他社に埋もれることなく第一志望として選ばれるよう、「他社との違い」は明確にしておきましょう。
ただ、「表彰されました」や「業績NO.1です」などが「他社との違い」ではありません。
もちろん、実績があるならアピールすることは大事ですが、就活生を選ぶ際に「賞状の有無」や「優勝経験」だけを求めますか?
一般的な要素であっても、自信を持っていると言える点をアピールしましょう。
この項目における効果的なコンテンツは、「社長インタビュー」および「業務説明」です。
宗教的なまでの社長崇拝はブラック企業と思われて嫌厭されますが、尊敬できない社長のもとで働きたい人もいません。
また、企業が自信を持っているポイントは仕事内容・商品であることが多いのではないでしょうか。
【募集要項・福利厚生】
第2章での『企業研究を行う上で知りたい情報』のうち、4位「給与水準・平均年収」、5位「福利厚生制度」、13位「有休消化率」、18位「人事評価制度」などがこちらに当てはまります。
また、第1章の『中小企業を受けていない理由』の1位「給与・待遇が良くない」4位「福利厚生が不十分」など、大手企業とは違い保障されないのではないか、というイメージがあります。
独自の福利厚生制度以外は説明文を加える必要はありません。
1ページで簡潔にまとめておきましょう。
また、産休・育休取得率や産後の職場復帰率なども注目される要素です。
前例がないのであれば、「前例はないがこういった制度を用意している(しようとしている)」などの文言を添えておきましょう。
たまに見かけますが、募集要項について「詳しくはリクナビへ」など別サイトに誘導しているサイトがあります。
就活生をネット上で「たらい回し」にすることはやめましょう。
折角の「一斉エントリーではない就活生」を自社採用サイトで募集できるチャンスを自ら逃してしまうことになります。
いかがでしょうか。
3つの要素は基本的な内容であると感じられたのではないでしょうか。
就活生が知りたい情報は、意外と企業がさらっと書き流してしまっている内容かもしれません。
今あるサイトを手直ししよう
「ええ、こんなにコンテンツ揃えてたら公開に間に合わないんだけど」
「そもそもサイト構築に割ける時間が少ないのに無理」
と思った人事の方。
最初から完璧なサイトを目指していませんか?
すでにある自社採用サイトを手直しすることから始めましょう。
コンテンツを初めからすべて作り込む必要はありません。
企業を知ってもらうためのサイトにするのか、「まずは説明会に来てくれ!」という導入用サイトにするのか、などなど方向性を決めましょう。
そしてある程度形になったらまずは公開してみるのです。
アクセス数が伸びないのか、アクセスはあるのにエントリーがないのかなど公開してみることでわかる問題点が見えてくるでしょう。
コンテンツに関しては、就活生との面接内容も参考になります。
就活生から「基本事項」を聞かれる場合は要注意ですが、よく聞かれる質問などに注目すると、求められている情報が何かわかってきます。
採用サイトに情報をどんどん追加していきましょう。
こんな採用サイトは見てもらえない、5つの特徴
最後に、「ブラウザバック」されてしまう採用サイトの5つの例を見ていきます。
1つでも当てはまる箇所があれば、すぐに改善しましょう。
【サイトが古いor更新されていない】
採用サイトのデザインに凝った企業はたくさんあります。
毎年採用サイトのデザインやコンセプトを変えていく企業もあります。
「そこまでの技術が無いし、これでいいか」と手を抜いてしまってはもったいないです。
シンプルでも、「インターネットに疎い」という印象は与えないようにしましょう。
また、一度作った採用サイトの年度表記を変えていない企業も見かけますが、「採用に力を入れていないのでは」と思われてしまいます。
【読み込みが遅い】
コンテンツに凝りすぎて動作が重くなってしまった際に起こります。
「現代人は待てなくなった」と言われますが、「就活生は待てません」。
読み込みに時間がかかるサイトをじっと待っているのは時間の無駄です。
アニメーションや動画などで凝ったデザインは、長い読み込み時間が発生した途端シンプルなサイトに負けてしまいます。
目安としては、「5秒以上の読み込み時間はアウト」と考えましょう。
【スマホ・PCのどちらか一方でしか閲覧できない】
スマホのみで企業を検索する就活生が多く、スマホ対応の採用サイトを作る企業も増えています。
ですが、スマホでの閲覧を重視するあまり、「PCでは正常に閲覧できない」サイトがたまにあります。
また、PCでの閲覧を念頭に作った採用サイトをスマホ対応にしていないがために、スマホ画面に収まりきらないサイトもあります。
コンテンツが一部見えない、というのはそれ以上検索するやる気をそいでしまうので、どのデバイスからも見えるようにサイトは作りましょう。
【ナビサイトと同じ内容】
自社採用サイトの内容をそのままナビサイトの紹介文に載せたのか、ナビサイトの内容を自社採用サイトを作る際にそのまま載せたのか……。
同じ内容を異なるページで確認する必要はありません。
就活生としてはリンクを辿った時間が無駄になります。
ナビサイトとは異なり採用サイトでは企業の個性を出すことができます。
採用サイトでしか知ることのできない情報をきちんと掲載しましょう。
【使いづらい・見にくい】
スタイリッシュさを求めてトップページからの誘導を極端に少なくしてしまったり、メニュー画面をすべて英語表記にしてしまったり、トップページからのみ各コンテンツにアクセスできるようにしてしまったり……。
「どうやってトップページから移動するんだろう」なんて思われてしまったら、どれだけ凝ったコンテンツ作りをしていても見てすらもらえません。
メニュー画面をすべて英語表記にするのも、”MENU”など簡単な単語であれば問題ありませんが、企業特有の職種名まで英語表記にするのはやりすぎです。
「これくらいは読める学生に来てほしい」というのであれば別ですが、就活生の多くは日本人です。母語で話しましょう。
すべての就活生が一目見てわかるデザインであることが重要です。
就活生が知りたい情報を的確に伝え、安心できる企業であることをアピールして、より多くの就活生確保を目指しましょう。
自社採用サイトで就活生の気を惹くポイントは、『就活生が使い分ける就活サイトの実態、知っていますか?』でも触れました。
採用サイトの作り方はこちらの記事でも紹介していますので、ご参照ください。
『タダで作れる!おすすめ無料採用サイト構築ツールまとめ!』
『必見!少ないコストでの自社採用サイトの作り方まとめ』
関連記事
ちょくルートMagazineについて
ちょくルートMagazineは、経営戦略は「人」であると考える経営者、人事担当者向けに人材不足の問題を解消すべく、採用に関するニュースや求職者動向、成功事例を発信するメディアです。特に、自社採用サイトを活用した採用手法をお届けしています。